恩師からの便り(投稿:山下)

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 高校3年間、担任だった先生からのハガキが届いた。還暦を迎えた先生のお祝いを兼ねた同窓会をしたのが11年前。
 その先生から、還暦を迎えた私たち教え子へねぎらいの言葉と、先生の近況が綴られていた。
 当時先生は20代でとにかく熱心に指導してくださった。「勉強をしなくていいのは元旦のみ!」と言われ、田舎育ちの素直な?私たちは、懸命に勉強したものだ。授業は0時限めから始まり、7~8時限まで。夜7時ころ帰宅してからも毎日4~5時間は勉強した。蒲団で寝ることはほとんどなく、ラジオの深夜放送オールナイト・ニポンを聞きながらの勉強だった。
 今思えば、塾も行かず大学に進学できたのは、さぼる暇さえ与えてもらえなかった先生のおかげかなあ。当時はなんでこんなしんどい思いをしなければならないのかとも思ったけれど、勉強する私たち以上に先生は準備や指導に時間と精力を注いだおられたはず。
 そんな先生も穏やかな余生を楽しんでおられる様子にホッとした。
 
 印刷された文面の余白には、「体調はどうですか。少し気になっています。」の言葉が。先生の退職(還暦)祝をした同窓会で、私がもうすぐ手術をしますと話したのを覚えてくださっていたのだ。何百人といるだろう教え子の一人のことを気遣ってくださる温かい思いに胸が熱くなった。